【Travel report 3 - Japanese version only】最終章、パーティーアイランド編。

2015年10月31日 22:41

【Travel report 3 - Japanese version only】
最終章、パーティーアイランド編。

【イビサ島】
自分が高校生の頃「イビサ島」は、感覚的には「冥王星」と同じくらい遠かった。「セカンドサマーオブラブ」は「冥王星と海王星が接近」という現象と同じくらい現実味が無かった。70年代はヒッピーの聖地として名を馳せ、80年代後半にヨーロッパで初めてデトロイトテクノやシカゴハウスを流した地で、いわゆる今の野外ダンスパーティーの起点となった場所。90年代初頭にはマンチェスターを中心としたイギリスの音楽シーンに影響を与え、多くのロックバンドはそのダンス的な要素や世界観を取り入れた。10年以上前まではエクスタシー等のドラッグの影響も強かった様だけど、今は規制が厳しくなって、汚染の影は薄くなったと言われている。四つ打ちのダンスミュージックをやっていれば、その名前を知らない人はいない。村上龍の小説のタイトルにもなり、某ハイパーメディアクリエーターや有名サッカー選手が紹介しているので、名前を聞いたことがある人も多いはず。個人的には、イビサ島に特別な憧れは無い。本土からフェリーで行ける島という事で、ヨーロッパの人にとっての新島みたいな物なんじゃないかなと思っていた。もしくは、若者に人気があるビーチという点で、自分の地元、藤沢の江の島みたいなものなんじゃないかな、とかね。しかし、それは違っていた。綺麗なビーチ、趣向を凝らしたクラブ、異国情緒のある街並み、美味いメシ、興味深い歴史とカルチャー。無条件で上がる要素が揃った複合エンターテイメントアイランド、それがイビサ島だった。

【イビザでDJ】
十代の頃、やりたい事をリスト化していて、唯一やり残したの事が、ヨーロッパでDJをする事だった。欲しいものは、それがどうでも良くなった頃に手に入る。ここ重要なので復唱。欲しいものは、それがどうでも良くなった頃に手に入る。ここテストに出るぞー。初めてやる環境という事で、最初はナーバスになっていたんだけど、やり初めたらどこも同じ。多くの人が言う様に、お客さんの反応がダイレクト。良ければ来るし、駄目なら引く。わかり易い。むしろ、そういう反応の方が気持ちがいい。事前に仕込んでいたE2-E4のマッシュアップや自分のアルバムからのトラックをかける。この2曲は受けが良かった。すっと入り込めた。今回は場がラウンジ寄りの空間だったので、バッキバキに上げる事はしなかった。それでもやりたい様にできて、ある程度満足できた。今は種蒔きの時期。来年は更に面白い事ができると思う。もし、海外でDJやライブをやりたいという人がいるのなら、自分の曲を持っている事と、どのくらいリリースしてきたかという事が重要。恐らく、その辺は日本よりシビアに見られる。それと、いいか悪いかは別として、冷静に向こうの流行や好みを分析して、自分の強み弱みを把握して、上手く切り込む努力を淡々と続けると、チャンスを掴む可能性はかなり高くなると思う。この世界に関しては基本的に日本の先に世界は無い。日本でローカライズされた物は基本的には通用しない。もう一つ重要なのはコミュニケーション能力。英語は流暢ってレベルまで上げたら、やりたい事を、より通し易くなると思う。恥ずかしながら、ここに関して自分はまだまだ。今回、漠然と何が必要なのかがわかった。基本的に自分のやってきた事は間違っていない。何をやるにしろ、広い世界でやった方が楽しい。

【イビザのクラブ】
イビサを代表するクラブ「Pacha」へ入れてもらった。客層はヨーロッパの比較的裕福な層。きっちりターゲットを絞ってマーケティングしている。入場料が当日券だと70ユーロ(1万円越え)。お酒が一杯15ユーロ(2千円越え)。ここで簡単な算数をしてみよう。一晩で5杯お酒を飲んだお客さんは入場料と合わせて2万円払う。満員で3000人入ったとして、一日の売り上げが6000万円。そのうちトップDJに2時間のギャラを1000万円払う。もの凄くざっくり言うと、年収50億円のDJがいるのは、こういうカラクリなんじゃないかな。ザ・資本主義。ただ、こういうの「あり」だと思う。そして、こういう世界があると知っておく事は良い事だと思う。こういうコマーシャルな所が活性化する事で、コアな部分も活性化したりする訳だし。音楽を大して好きでは無い層を狙ってブランディングしていて、それが成功している。イベント事態もエンターテイメントとして完成されていた。欧米のファッション誌のモデルの様な、露出の高いダンサーのショーあり。ライティングも凝っていて、サウンドシステムも良い。年齢層も幅広く、危険な感じもしない。完成されたショーという点ではディズニーランドと通ずる物があった。より大人向けだけどね。ベルリンのTresorと比較すると正反対。かといって、イビサがこういうコマーシャルな箱ばかりという事ではない。この裏ではMarco Carolaがミニマルテクノを回してたり、別の箱ではニューヨークハウスのTodd Terryがプレイしていたりする。シーズン中いても飽きずに遊び続けられる。

【イビサのビーチ】
ローカルに教えてもらった穴場のビーチへ行ってきた。透き通る海、見晴らしの良い景色、乾いた空気、人も少ないし、気持ちがいい。木陰で目を閉じてチルってると、何かの気配を感じたので目を開けた。最初、その肌色の物体が何かわからず、地中海に生息する中型の哺乳類かと思ったのだけど、それは違った。素っ裸の白人のカップルだった。涼しい顔をして自分の目の前を全裸で横切っていった。どこかで見た絵面だなと思ったんだけど、わかったね。歴史上最大のベストセラー「聖書」の「創世記」だ。ここまで、普通でいられると、水着をつけている自分が逆におかしいんじゃないかと思えてくる。同調圧力ってのは恐ろしい。この、現代のアダムとイブに遭遇した後、同じ海岸で、現在もフラワームーブメント真っ只中のおじいさんヒッピーに遭遇した。恐らく、この地で50年近くヒッピーを続けて来たであろう風貌と雰囲気。それだけ長く続けてきたのだとしたら、その存在そのものがメッセージになる。願わくば、最後まで一切後悔せず、ラオウの様に散っていって欲しい。「わが生涯に一片の悔いなし」と。ここもテストに出るぞー。年間50億稼ぐDJと50年間ヒッピーをやり続けてきたじいさん。どちらが勝者か。答えは明確。どちらも一等賞。良くも悪くもオンリーワン。

イビサ島の「物語」は終わらない。来年は自分がその演者となるのかも知れない。禁断の果実を食べて楽園を追放されるその時まで。

ib01.jpeg

ib02.jpeg

ib03.jpeg

ib04.jpeg

ib05.jpeg

ib06.jpeg


トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://takuyakashiwada.blog73.fc2.com/tb.php/449-946327f5
この記事へのトラックバック


最近の記事